冬の風邪とは別モノ!蒸し暑さが原因の「夏風邪」を海藻類や緑豆春雨で撃退
夏風邪の特徴は、重だるくて治りにくい
日差しが強くなり、いよいよ夏到来。それでなくても暑くてバテ気味なのに、熱があるし、頭が痛い……。もしかして「夏風邪」!?
風邪はすかさず手を打てば、薬に頼らなくても食事で改善が可能です。ただし、風邪のタイプによって対策を変えることが重要になります。
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中医学では夏風邪は、「蒸し暑さ」が原因と考えます。おもに寒さによる冷えが原因となる冬の風邪とは別モノ。蒸し暑さによる暑気あたりや、水分が体内にたまることで引き起こされるのです。いわば、この時期限定の風邪なのです。
症状としては身体が重だるい、頭が重たく痛む、鼻水が多い、吐き気や下痢をともなうケースが多く、体内の余分な水分が原因のため「重だるい」が大きな特徴です。また、なかなか治りにくい傾向があります。
水滞(すいたい)タイプの方はご用心
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夏に風邪をひきやすい人は、もともと身体に水分をためこみがちな「水滞(すいたい)タイプ」に多くみられます。新陳代謝が悪く、余分な水分ばかりか脂肪もためこみやすく、いわゆる「水太り」しやすい傾向があります。
ふだんから、むくみやすく、身体や手足が重だるい、頭がどんよりと重たかったり、過剰な水分が消化・吸収能力を低下させるため、胃もたれ、吐き気やめまいといったトラブルが多いのも特徴。水滞タイプの人は梅雨どきから、夏にかけて湿気がひどくなってきたら、夏風邪に要注意です。
海藻類は「夏の食べる風邪薬」
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夏風邪からすみやかに回復をはかるには、熱を冷まして体内の水気をしぼりとる食材を取り入れることが大切。おすすめは海藻類。わかめ、昆布、ひじき、もずくなどは、身体にこもっている熱を冷ますとともに、利尿作用が高くまさに「夏の食べる風邪薬」なのです。
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また、緑豆もやしや緑豆春雨も夏風邪の強い味方。原料となる緑豆には解熱作用と、水分代謝をアップする働きがあるのです。そのほか、セロリやゴーヤ、そばも改善に役立ちます。
飲みもの対策も忘れずに
体調が優れず、ものを食べる気もおきないときは、飲みもので対策をとりましょう。おすすめははとむぎ茶と黒豆茶。体内の湿気を、スッキリ尿として排出する働きが高いのです。
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また、症状が長引くときに試してみていただきたいのが「小豆のゆで汁」。小豆は、熱を冷まして毒素を排出するとともに、高い除湿効果がある食材なのです。作り方は水5カップに洗った小豆大さじ5を入れて、沸騰したら火を弱めて30分ほど煮だします。二日酔いや吹き出もの改善にもおすすめです。
そして風邪をひいたときに気を付けたいのは、消化のよいものを食べること。前提として、体力が落ちているために風邪をひくのであって「栄養をつけるには肉をたっぷり」といった行為は、弱った内臓に負担をかけてしまいます。そしてカレーなどスパイスが過剰に効いた料理、辛いものも控えましょう。
「夏風邪撃退」おすすめ薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(わかめと緑豆春雨、セロリのサラダ)
★わかめと緑豆春雨、セロリのサラダ
熱を冷まして体内の水気を追い出す作用にすぐれたわかめと、緑豆春雨、セロリを組み合わせた夏風邪撃退レシピ。鶏がらスープの素でコクをプラスしたドレッシングで、食欲のないときでも美味しくいただけるサラダです。
【材料】 2人分
緑豆春雨 20g
乾燥わかめ 6g
セロリ 1/2本
塩 少々
<ドレッシング>
しょうゆ 大さじ1
酢 大さじ1
ごま油 大さじ1
鶏がらスープの素 小さじ1/2
にんにくのすりおろし 少々
しょうがのすりおろし 少々
こしょう 適量
【作り方】
①乾燥わかめは水でもどす。セロリは縦半分に切り、斜め薄切りにして塩をふりもみこむ。
②鍋に湯を沸かし、沸騰したら緑豆春雨を入れて2分ゆでてざるにあげ、冷水で冷やす。冷めたら水気をきって食べやすく切る。
③ボウルに①、②を入れ、混ぜ合わせたドレッシングを加えて全体を混ぜる。
次回のお知らせ
次回は、気になる「シミ」対策におすすめの薬膳情報とレシピをお届けします。
7月20日(火)の配信予定です。