りんごや、もち米などお腹ゴロゴロのピンチを救う「食べる下痢止め」
もくじ
腹下しシーズンは、タイプ別薬膳でお腹をサポート
大事な会合なのにおなかの具合が悪くて気もそぞろ。待ち合わせ時間ギリギリなのに、途中下車しないと耐えられない……。肝心なときに襲ってくる下痢。とくに梅雨どきは、腹下ししやすいシーズンです。薬膳で、しっかりお腹をサポートしましょう。
下痢には「突発性の激しい下痢」そして「慢性的な下痢」とふたつのタイプがあります。ぞれぞれにあった対策をとることが大切です。
出典:photoAC
突発性の激しい下痢には、殺菌作用の高い食材を
まず、「突発性の激しい下痢」タイプ。もともと胃腸の働きが弱くなくても冷たいものや生ものの取りすぎ、冷房がききすぎた部屋に長時間いた、といった場合、あるいはなんらかの細菌による食あたりによるものです。
このタイプの下痢の場合は、お腹の冷えを改善するとともに、殺菌作用の高い食材を取り入れることが対策となります。
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おすすめは梅干し。整腸作用があり、腸の働きを回復させて下痢を止め、強い抗菌作用で食あたりに効果を発揮します。
青じそも、高い殺菌と解毒作用があるとともに、お腹を温めてくれる「腹下しお助け食材」。とくに魚介類による食あたりの予防、吐き気や下痢の改善に優れています。刺身のわきに添えられた青じそ、には理由があるのです。
またしょうが、ねぎも冷たいものを取り過ぎたときの下痢に効果的。冷えるとお腹をこわしがちなタイプの人は、ふだんから積極的に料理に取り入れるとよいでしょう。
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果物ではりんごが腸の働きを整え、改善に役立ちます。飲みものはほうじ茶がおすすめ。
慢性的な下痢は、「脾」を力づけて改善
そして「慢性的な下痢」タイプ。慢性的な下痢や軟便に悩まされている場合は、消化をつかさどる臓器である「脾」の働きが弱り、消化する力が低下していることが原因です。もともと体力がなくて疲れやすく、胃腸の働きが弱くて胃痛、食欲不振といった不調がある人に多くみられます。
こちらの場合は、脾を力づけて消化吸収を高める食材を取り入れることが大切です。
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おすすめはもち米。脾を元気にして、軟便を改善する効果が高いのです。また体内から液体が漏れ出すのを防ぐ「固摂(こせつ)効果」が高いので、下痢止めに威力を発揮してくれます。また、イモ類も脾の働きを高めて吸収力を高め、慢性的な下痢の改善に役立ちます。
はとむぎも慢性的な下痢を止めるパワー大。はとむぎ茶で手軽に取り入れてみましょう。
「突発性の激しい下痢」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(ホットりんごほうじ茶)
★ホットりんごほうじ茶
突発性の激しい下痢改善に役立つ、りんご、梅干し、しょうがとほうじ茶をブレンド。飲むとしみじみお腹があたたまります。梅としょうが、黒砂糖の風味が素朴な、和のホットドリンクは、冷えが気になるときにもおすすめ。
【材料】2人分
ほうじ茶 2カップ
りんご 1個
梅干し 2個
しょうがのすりおろし 小さじ1/2
黒砂糖 適量
【作り方】
①りんごは皮をむいてすりおろす。梅干しは種をとって、包丁で叩く。
②温かいほうじ茶を器に注ぎ、①、しょうがを加えて混ぜる。黒砂糖で好みの甘みに調える。
慢性的な下痢におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(鶏肉とさつまいも入りのもち米おかゆ)
★鶏肉とさつまいも入りのもち米おかゆ
慢性的な下痢を止める効果が高い、もち米のおかゆ。脾の働きを高めて、滋養強壮によいさつまいもを加え、お腹に元気を与えます。鶏ささみ肉からよいだしが出て、滋味あふれる味わいです。
【材料】2人分
鶏ささみ肉 3本
もち米 60g
さつまいも 1/2本
ねぎ 1/2本
しょうが 1かけ
酒 大さじ1
塩・こしょう適量
【作り方】
①もち米は洗って1時間以上、水にひたしておく。さつまいもはよく洗い、皮つきのまま幅1cmの輪切りにして塩水に3分程度さらす。鶏ささみは筋を取り、一口大のそぎ切り、ねぎは小口切り、しょうがは皮をむいて薄切りにする。
②鍋に水6カップを入れ、鶏ささみ、しょうが、ねぎ、酒を入れて強火にかけて沸騰したらアクをとり、もち米を加え、弱火で30分煮る。
③②にさつまいもを入れて、20分煮たら塩、こしょうで味を調える。