靴の干し方とは?スニーカーを短時間で乾燥させる方法を解説
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靴が濡れたときも正しい干し方で乾燥させれば、靴の寿命が伸びて快適に履き続けられます。
一方、間違った干し方で靴を乾かすと、靴の形が崩れたり色が褪せたりなど、さまざまなトラブルにつながるため注意が必要です。
本記事では靴を濡れたまま放置すると起こるトラブルや、短時間で靴を乾燥させる方法を詳しく解説します。
靴の干し方で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
濡れた靴を放置するとどうなる?
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雨に振られたり、水溜まりを踏んだりして靴が濡れたとき、濡れた状態で放置すると次のようなリスクがあります。
- 雑菌・カビが繁殖する
- 臭いが発生する
- シミになる
ここでは濡れた靴を放置した場合に起こる問題について詳しく解説します。
雑菌・カビが繁殖する
濡れた靴を放置すると内部が湿った状態が続き、雑菌やカビの繁殖を促進します。
靴の内部は日頃から汗や湿気が溜まりやすく、水分が蒸発しないまま放置された状態は菌やカビにとって絶好の環境です。
また、靴箱のように通気性の悪い場所や、直射日光の当たらない暗い場所に濡れた靴を長期間収納しておいても、雑菌やカビの繁殖を招きます。
雑菌やカビが靴内で繁殖すると、悪臭や変色、べたつきなどのトラブルにつながります。
とくにカビの菌糸が足汗や皮脂などと混ざり合って皮膚に触れると、かぶれやアトピーなどの肌トラブルが起こる可能性があるため注意が必要です。
さらにカビの胞子や雑菌が室内に放出されると、アレルギーや呼吸器系の問題を引き起こすリスクもあります。
臭いが発生する
濡れた靴を放置しておくと、臭気が発生します。
濡れて湿った靴の内部に雑菌やカビが繁殖すると、揮発性の化合物が発生して悪臭の原因になります。
そのため、濡れた靴の臭いは、周囲の人々から不快に思われるかもしれません。
周囲に迷惑をかけるのみでなく、靴の悪臭をコンプレックスに感じてしまう可能性もあります。
シミになる
濡れた靴を放置すると、靴の内部や表面にシミができる可能性があります。とくに革や布製の靴は水に弱く、水分を含むと色素が広がり、シミや変色が生じやすくなります。
また雨の日や水溜まりを踏んだあとの靴は、内部に溜まった湿気がなかなか乾かず、靴がダメージを受けやすいため注意が必要です。
靴の素材によっては、湿った靴同士が接触して色移りが起き、シミが広がるケースもあります。濡れた靴がシミとなって残ると、見た目の美しさが損なわれます。
さらにシミが広がると、靴の市場価値が低下するかもしれません。
高品質な革製品や人気ブランドの靴であれば、シミの有無がリセールバリューや愛着に悪影響を及ぼします。
また色移りが起こると、他の靴や衣類も変色する可能性があります。
靴の基本的な干し方
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靴の干し方には、次のようなコツがあります。
- 水気をしっかり切る
- 風通しのよい場所に干す
- 靴全体に風が当たるようにする
ここでは濡れた靴の干し方について、基本的なポイントを紹介します。
水気をしっかり切る
靴を清潔に保つためには、干す際に水気をしっかり切る必要があります。
濡れた靴を放置すると内部に湿気がこもり、雑菌やカビの繁殖を促進します。雑菌やカビが靴内で活動すると、臭気や衛生問題につながるため注意が必要です。
さらに靴の素材によっては、湿気の影響で劣化や変形が生じるかもしれません。
水気をしっかり切り、靴の内部に溜まった湿気を取り除けば、雑菌やカビの繁殖を防止できます。
また水気を切ってから干すと、靴の素材が劣化しにくく、靴の寿命を延ばす効果も期待できます。
靴の水気は定期的に取り除き、清潔な状態を保って長く快適に履き続けましょう。
風通しのよい場所に干す
靴を干す際は、風通しのよい場所を選びましょう。
密閉された場所や通気性の悪い場所に靴を干すと湿気がこもりやすくなり、雑菌やカビの増殖を招きます。
風通しのよい場所に干せば湿気を早く取り除けるため、雑菌やカビ、悪臭の発生を防止可能です。
屋外であれば直射日光の当たる場所や、風の通り道を選ぶと効果的です。
屋内で干す場合、風の通り道を作るために窓を開けたり、扇風機を使用したりしましょう。
靴全体に風が当たるようにする
靴を干す際には、靴全体に風が行き渡るような工夫が必要です。
靴全体に風が当たるように干せば、靴の内部にこもった湿気を効率的に乾燥させられ、雑菌やカビの繁殖を防止できます。
また靴の内部のみでなく表面もムラなく乾燥させれば、清潔で快適な履き心地をキープしやすくなります。
靴全体に風が当たるように、濡れた靴はできる限り屋外で干すと効果的です。
屋内で干す場合、扇風機を使用して風を循環させるほか、靴を逆さまにする、中敷きを外すなど、靴全体に風が行き渡るような工夫が必要です。
靴を短時間で乾かす方法や干し方のコツ
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靴を短時間で乾かすためには、次のようなコツが重要です。
- 新聞紙・キッチンペーパーを靴の中に詰める
- カゴ・網の上に干す
- ビニール袋を活用する
- ハンガーを変形させて干す
- ドライヤーの風で温める
- 扇風機の風を当てる
- 靴専用乾燥機を使用する
- カイロを使用する
- 乾燥剤を使用する
- ブーツ・長靴にはペットボトルを使用する
ここでは靴を素早く乾かす方法や、干し方のコツについて詳しく解説します。
新聞紙・キッチンペーパーを靴の中に詰める
新聞紙には湿気を吸収する特性があり、靴のつま先のような乾きにくい部分の水分も効率的に吸収します。
新聞紙を使用する際は、あらかじめ軽く丸めてから靴の中に詰めるとより効果的です。
さらに、紙を詰めた靴を空中にぶら下げて干すと、風が全体に当たりやすくなり、より乾燥が早まります。
ハンガーにひっかけたり、大きめのS字フックに吊るしたりする方法もおすすめです。
カゴ・網の上に干す
カゴや網の上に靴を置くと、風が靴の表面のみでなく下からも通り抜けるため、全体的に乾燥が促進されます。
とくに靴の底部が湿っている場合は、底からも風を通すと乾燥時間を大幅に短縮可能です。
またカゴや網を使用すると、靴が直接地面に触れずに済むため、汚れやカビの発生を防止できます。
さらにカゴや網は場所を取らず、複数の靴を同時に乾燥させられます。
複数の靴を同時に乾燥させたい方にとっては、カゴや網は非常に便利なアイテムです。
ビニール袋を活用する
靴を干す際にビニール袋を活用する方法、意外に知られていないユニークなコツです。
ビニール袋の取っ手が下向きになるように、逆さまに物干し竿に設置して洗濯バサミで固定します。
取っ手に靴を引っ掛けると、靴の履き口が下を向くため水分が落ちやすくなり、短時間で乾きます。
使用後のビニール袋は再利用できるため、コストパフォーマンスの高い干し方といえるでしょう。
物干し竿を用意できる方は、一度試してみてください。
ハンガーを変形させて干す
衣類用ハンガーを変形させて靴を吊るすと、風が靴の内部に直接当たりやすくなります。
具体的には、ハンガーの両端を上向きに折り曲げて靴をひっかけます。
靴が地面に触れないため、風が靴全体に行き渡り、乾燥時間の短縮が可能です。
またハンガーは場所を取らず、複数の靴を同時に乾燥させられるため、一度に多くの靴を乾かしたい場合にも便利です。
効率的に靴を干したい方は、シューズハンガーを使用してみましょう。
シューズハンガーを使用する場合は、乾燥しにくいつま先部分を上に向けて干してみてください。
ドライヤーの風で温める
早く乾かしたい場合は、ドライヤーの風で温める方法がおすすめです。
ドライヤーを使用する場合、温風を利用しないように気をつけましょう。
ドライヤーの温風は、靴の接着部分を剥離させたり、靴の形状を変化させたりする恐れがあるため、基本的には冷風で乾燥させましょう。
とくにエナメルや革製の靴を乾かす際には、温風を使用してはなりません。
布製のスニーカーを乾かす場合は、ドライヤーを靴から20cm以上離せば温風を当てても大丈夫です。
靴の状態を注意深く見ながら、まんべんなく風を当ててみてください。
できる限り早く乾かしたい場合は、あらかじめタオルドライをしたあとにドライヤーを使用するとよいでしょう。
扇風機の風を当てる
扇風機を使用すれば、常に新鮮な空気を靴に当てられます。
さらに扇風機の首振り機能を利用したり、定期的に靴の向きを変えたりなど工夫すれば、靴全体を均等に乾燥させられます。
雨の日に急いで靴を乾かしたい方にとって、室内で使用できる扇風機は非常におすすめです。
なお、扇風機の風量はそよ風レベルで十分に乾燥させられるため、無理に強風に設定する必要はありません。
靴専用乾燥機を使用する
靴専用乾燥機は靴の形状にあわせて設計されており、靴の内部と外部の湿気を均一に蒸発させて乾燥を促進します。
コインランドリーに行けば手軽に靴専用乾燥機を利用できるほか、家庭用に小型設計された靴専用乾燥機も販売されています。
靴専用乾燥機を使用すれば20分程度で靴を乾かせるうえ、除菌や脱臭などの機能がついているケースもあるため、手早く衛生的に靴を乾燥させたい方におすすめです。
カイロを使用する
カイロを一足ごとに一つずつ入れておけば、手間をかけずに靴を乾かせます。
発熱したカイロは靴内部の水分を蒸発させて乾燥を促進するため、通常よりも乾燥にかかる時間を短縮できます。
ただしエナメルや革製の靴の場合、カイロの熱が靴の外側にも伝わると変色や変形の原因となるため注意しましょう。
スニーカーを乾かしたい方や、冬場に購入したカイロが未使用のまま余っている方におすすめの方法です。
乾燥剤を使用する
お菓子や電子部品などの箱に入っているシリカゲルは、商品を湿気から守る乾燥剤です。
シリカゲルをキッチンペーパーや新聞紙に包んで濡れた靴に入れると、乾燥時間の短縮が可能です。
ただし、シリカゲルは一袋あたりの吸引量に限度があります。
具体的には、最初に透明もしくは水色だった玉がピンク色に変わってきたら、吸水量の限界に近づいているサインです。
そのためシリカゲルは靴の中に放置せず、定期的に色の変化を確認して適宜交換する必要があります。
日頃からシリカゲルを集めていれば費用をかけずに実践できるため、おすすめの方法です。
ブーツ・長靴にはペットボトルを使用する
ブーツや長靴は形が複雑なため、そのまま放置してもすぐには乾きません。
靴を逆さにしてペットボトルを挿入しておくと、靴内部の通気性が向上し、短時間で乾きやすくなります。
またペットボトルが靴の形をキープするため、ブーツや長靴を立てたまま乾かしてもシワが付きません。
ペットボトルが軽すぎて靴が自立しない場合は、ペットボトルに水を入れると安定します。
靴を干すときの注意点
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濡れた靴を干す際は、次の2点に注意が必要です。
- 干す前に汚れを落とす
- 日光・紫外線を避ける
ここでは靴を干す際に知っておきたい注意点について詳しく解説します。
干す前に汚れを落とす
靴を干す前に汚れが残ったままだと、乾燥する過程で汚れが固まり、あとから取り除きにくくなる恐れがあります。
また靴の表面に付着した汚れを放置しておくと、靴の素材が傷んだり、色落ちしたりする可能性もあります。
さらに汚れの種類によっては、悪臭の原因にもなるため注意が必要です。
靴を洗って干す際は、あらかじめ靴の表面や底についた汚れを落としておくと、靴が長持ちしやすくなります。
日光・紫外線を避ける
直射日光や紫外線は靴の素材にダメージを与え、色褪せや変形を引き起こす原因です。
とくに革製の靴や色の濃い靴は、紫外線によるダメージを受けやすいため注意が必要です。
また日光や紫外線による熱は、靴表面の接着剤を溶かし、部品が剥がれる原因にもなります。
さらに過度の熱が靴に加わると、靴の形状が変化し、履き心地を損なう恐れもあります。
靴の寿命を伸ばすためにも、靴を乾燥させる際は直射日光を避け、風通しのよい場所での陰干しがおすすめです。
スニーカー以外の靴の干し方
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スニーカー以外の靴も、それぞれ干し方のコツがあります。
- 革靴の干し方
- ブーツの干し方
- パンプスの干し方
ここではスニーカーの他に使用頻度が多い靴の干し方3つを詳しく解説します。
革靴の干し方
革靴は熱に弱く、ドライヤーの温風を当てると色が変色したり、形が変わったりする可能性が高い靴です。
そのためドライヤーを使用する場合は、必ず冷風に設定しましょう。
また革靴を乾かす際には、壁に立てかけたり、ハンガーにかけたりして通気性を確保する必要があります。
靴の内部まで徹底的に乾燥させたい場合は、新聞紙やキッチンペーパー、シリカゲルなどを使用して湿気を吸収すると効果的です。
ブーツの干し方
ブーツを乾かす際は、新聞紙やキッチンペーパーを詰めてつま先の湿気まで吸水しましょう。
またブーツが濡れたときは、逆さまにしてペットボトルに挿した状態で干すと通気性がよくなります。
ブーツが革製の場合は変形や変色を防ぐため、靴専用乾燥機の使用は控えましょう。
ドライヤーの冷風や扇風機を使用すると、短時間で乾きやすくなります。
パンプスの干し方
パンプスを乾かす際は、新聞紙やキッチンペーパーをつま先に詰めて、風通しのよい場所で陰干しをしましょう。
キッチンペーパーは新聞紙よりも吸水性に優れているため、より早く乾きやすくなります。
また、電化製品やお菓子などの箱に入っている乾燥剤のシリカゲルを用意しておき、キッチンペーパーに包んで靴の中に詰めるとさらに乾燥効果が高まります。
ただし、ドライヤーを使用する際は温風を当てないよう注意が必要です。
接着面の剥がれや靴の変形を防ぐため、ドライヤーは必ず冷風機能を使用して乾かすようにしましょう。
まとめ
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本記事では濡れた靴を放置すると起こるトラブルや、靴を短時間で乾かす方法について詳しく紹介しました。
さらに記事後半では、靴を干す際に知っておきたい注意点や、スニーカー以外の靴の干し方についてもあわせて解説しました。
靴が濡れた場合、新聞紙を詰める、網のうえで干す、ハンガーに吊るす、乾燥剤を入れるなど、些細な工夫をすると早く乾きやすくなります。
ただし、干し方や乾かし方を間違えると、靴が変色や変形する恐れがあります。
お気に入りの靴を長く履き続けるためにも、正しい知識に基づいて靴のコンディションを良好に保ちましょう。