雲仙・天洋丸「絶品にぼしグルメ」。おやつに炊き込みご飯に調味料に|からだに美味しいお取寄せ(11)
出典:天洋丸
今回は、長崎県雲仙市から「絶品にぼしグルメ」をご紹介します。
薬膳において、イワシはアンチエイジングにおすすめの食材。老化をつかさどる臓器「腎」の働きを高めて、若々しい身体作りに役立つ優れた働きがあります。また足腰を強化して腰痛を改善し、ぎっくり腰にもよい食材。
また、血行促進にも威力を発揮。ダイエットや肩こり、婦人科系トラブルの改善にも役立ちます。さらには脳の働きを高めるパワーにも優れているので、認知症予防にもおすすめ。
そのうえ、女性にとっては美白に役立つ「ホワイトニングフィッシュ」。ぜひ、日常的に取り入れたい「スーパー薬膳食材」なのです。
そんなイワシを手軽に取り入れるために便利なのが「にぼし」。そのまま食べられるタイプのにぼしは、まさに「薬膳的若返りサプリ」なのです。
もくじ
カタクチイワシの好漁場「橘湾」は美味しいにぼしのふるさと
にぼし生産量日本一を誇る、長崎県。なかでも、島原半島の西側に位置する雲仙市・橘湾は、にぼしの原料となるカタクチイワシの好漁場として知られています。
出典:筆者にて作成(「絶品にぼしグルメ」を製造販売する天洋丸は、長崎県雲仙市にあります)
出典:天洋丸(カルデラによって形成された橘湾。日の出の方向に湾曲した橘湾は、光に向かって進むカタクチイワシが入りやすい)
島原、長崎両半島と、諌早市の南岸とに囲まれた橘湾。北上する外洋水と、南下する栄養豊富な有明沿岸水とが混じりあって、良質なプランクトンが発生しやすい恵まれた漁場です。さらに、海底には雲仙火山のマグマだまりがあるとされ、水温がカタクチイワシの生育に最適という環境。
出典:天洋丸(カタクチイワシ。サイズによって、そのまま食べる用、だし用などに選別される)
「長崎ではカタクチイワシのことを『エタリ』とよびます。カタクチイワシが豊富な橘湾は『エタリの遊び場』と言われているんですよ」と語るのは、おもにカタクチイワシの漁獲と製造、販売を手掛ける「天洋丸」の竹下敦子さん。
竹下さんは、神奈川県横浜生まれ。三代目となるご主人の千代太さんが東京でのサラリーマン生活にピリオドを打ち、家業を継いだことをきっかけに雲仙市南串山町に来ることになりました。
出典:天洋丸(天洋丸のみなさん。竹下千代太さん(中央)、敦子さん(左から3人目)、娘の恵理さん(千代太さんの右)、そしてインドネシアからの技能実習生、体験漁師を含む従業員の方々)
それまで、あまりにぼしを食べていなかった、という竹下さん。けれどこの地にきて、橘湾のにぼしの美味しさや、にぼしの食文化を知り、すっかり「にぼしの魅力」にハマってしまったのだそうです。
出典:天洋丸(橘湾のにぼし。にぼしの美味しさは「何を食べたか」で決まるという。橘湾の良質なプランクトンを食べたカタクチイワシは雑味がない)
橘湾のにぼしの美味しさは、良質なカタクチイワシであることだけではありません。よいにぼしを作るための徹底したこだわりがあります。
美味しいにぼしに仕上げるためには「鮮度のよさ」が欠かせません。巻き網でカタクチイワシを漁獲したら、すぐに魚倉に入れ氷で冷やしこみます。
出典:天洋丸(カタクチイワシの漁は、夜から朝まで。まき網で漁獲され、一晩でだいたい5、6回投網する)
陸に戻ったら、フィッシュポンプなどで加工場へ魚を移します。鮮度維持のために「なるだけ手で触れない」ように気を付けます。
搬入したらサイズを選別してすぐにゆであげ、乾燥。とにかくスピードが勝負です。
出典:天洋丸(カタクチイワシは塩水で洗浄したのち、バラ(せいろ)に広げ、ボイラーで熱した海水で煮る)
出典:天洋丸(温風乾燥機を使用してバラごと乾燥させる。数時間後、全体が早く乾燥するようにバラを返し、異物があればていねいに除去したのち、再度乾燥機に入れる)
徹底した鮮度保持、ていねいな作業で完成した橘湾のにぼしは絶品!「旨みが多くて苦みが少ない。そしておだやかな味わいです。親戚や友人に送るとみんなが美味しい、と絶賛してくれました」と竹下さん。
ところが「買いたい」と言われても「どこで買えばいいか」教えることができなかったのです。
長崎県ではにぼしの出荷は県漁連で共販、業者による入札制度となっています。「わたしたちは、カタクチイワシを漁獲して漁協に出荷するまでが仕事で、どのようなかたちで、どこで販売されているのかわからなかったのです」と竹下さんは語る。
こんなに美味しい橘湾産にぼしのことを、多くの方に知ってもらいたい、そしてどんな方が購入するのか知ってコミュニケーションをはかりたい、という想いから通販をスタートすることになりました。
販売する商品開発にあたって、竹下さんが考えたのは「だしだけではないにぼしの楽しみ方」。
地元では、ふだんから料理ににぼしを使うことは当たり前。「だしとして使うだけではなく、炒めもの、煮ものなど、ごく当たり前ににぼしが入っているんです」と竹下さん。
「にぼしというと『だしをとる』というハードルを感じる人もいらっしゃいます。気軽に食べていただけるものを、と工夫しました」。
そして、じつに多彩なにぼし商品が誕生したのです。
透明感のあるにぼしを、ナッツやフルーツと楽しむ「橘湾のOYATSUシリーズ」
天洋丸のヒット商品「橘湾のOYATSUシリーズ」は、にぼしとナッツなどを組み合わせた商品。けれど、一般的に販売されている「小魚アーモンド」といった商品とはまったく次元が違う、「こだわりが尽くされた」逸品です。
出典:筆者にて撮影(橘湾のOYATSUシリーズ。パッケージもおしゃれな食べ切りサイズ)
使用するにぼしは、水揚げして10分以内に加工したものを味付けせずに、オーブンでカリッとローストしたもの。
ラインナップは、アーモンド、落花生、ガーリック、そしてなんと「バナナ」に「ココナッツ」!
組み合わせる食材の品質も徹底的に厳選。「にぼし」に合ったサイズ、形状に。
さらに組み合わせによってにぼしのサイズを変え、にぼしと食材の「黄金比率」で作り上げたというこだわりぶり。
徹底的な「にぼしファースト」。たんに「にぼしと何かを混ぜました」というレベルではないのです。
まず最初に、にぼしそのものを食べてみます。……え? サクサク軽快な歯ごたえのにぼしは、いっさいえぐみがなく「透き通った美味しさ」。「透明感のあるにぼし」です。塩はいっさい使っていないのに海水の塩気だけで、味付けは十分! かむほどに旨みがあふれ、とまらなくなります。
豊後高田市産の落花生をローストして使った「にぼし&落花生」は、ゆたかな落花生の甘みが、にぼしの味わいにまろやかさをプラス。
地域の伝統食であるカタクチイワシを使った「エタリの塩辛」の粉末、ガーリック、岩塩などをブレンドした特製調味塩を使用、アーモンドと組み合わせた「にぼし&ガーリック」は、旨みが二乗になってお酒のおつまみにぴったり。
出典:筆者にて撮影(ていねいに素煎りした豊後高田市産の落花生を使った「にぼし&落花生」、エタリの塩辛の旨みをいかした「にぼし&ガーリック」。エタリの塩辛も販売。おつまみにもぴったり)
「にぼし&ココナッツ」は、竹下さんがココナッツ入りのグラノーラを食べていて思いついた組み合わせ。「甘いものとにぼしの組み合わせは少し不思議な感じがするかもしれませんが、このあたりでは、さつまいもやかぼちゃの煮物ににぼしを使ったりするので、違和感はないはずだ、と思ったんです」。
ひらめきは大成功。にぼしにパリッとした食感のココナッツチップス特有のエキゾチックな甘みが、驚くほどやわらかくにぼしに寄り添い、クセになる味わい。ワインにぴったり!
ちょっとドキドキする「にぼし&バナナ」も衝撃の美味しさ。スッキリとした甘みのバナナチップスとにぼしの塩味が口のなかでマイルドに溶け合い、にぼしとの完璧なマリアージュにびっくり。にぼし×フルーツ、最高の相性!
出典:筆者にて撮影(「にぼし&ココナッツ」「にぼし&バナナ」は女性やこどもたちのリピーターが多いそう。「にぼし&アーモンド」は、地元の中学生たちが「お気に入りの比率」として開発したもの。無塩ローストアーモンドをプラス)
にぼしのクセを消すために何かを混ぜるのではなく、にぼしの美味しさが引き立つベストなバランスが追求された絶品グルメは、食べ応え十分なのにいずれも1パック150kカロリー以下!
にぼしの可能性をおおいに感じるグルメです。
いずれも、サラダやスープなど料理のトッピングに使っても、美味しくいただけます。
わたしもいろいろ試してみました。「にぼし&ココナッツ」は、パクチーのサラダにぴったり!エスニックにもにぼしはピタっとハマります。
出典:筆者にて撮影(ナンプラーとレモン汁、砂糖をまぜたドレッシングをかけたパクチーに、「にぼし&ココナッツ」をトッピング。パクチー好きにはぜひともお試しいただきたい)
意外かもしれませんが「トマト」との組み合わせもおすすめ。「にぼし&落花生」をパスタのトッピングにしてみました。シンプルなトマトソースのパスタに食感と旨みが加わって、グンと美味しくなります。まさににぼしは「食感のあるアンチョビ」!
出典:筆者にて撮影(トマトソースのパスタに「にぼし&落花生」をトッピング。ちなみにチーズにも合います)
にぼし概念が変わる炊き込みご飯の素「じてんしゃ飯の素」
天洋丸では、地元ならではの味を気軽に楽しめる商品も人気です。その名は「じてんしゃ飯の素」。えっ? という不思議な名前の正体は「にぼしの炊き込みごはん」の素、です。
出典:筆者にて撮影(じてんしゃ飯の素。キャッチコピーは「ハヤイ・カンタン・カラダニイイ」)
南串山町出身の中村昇選手が、島原半島一周自転車競走大会で2位と大差をつけて優勝。このとき、とるものもとりあえず作ってふるまわれたのが、いりことしょうゆの炊き込みごはん「しょいめし」(醤油飯)。
「じてんしゃごてはよたくるしょいめし」(自転車のように早く炊ける醤油飯)に由来し、郷土料理として愛し続けられています。
じてんしゃ飯の素は、橘湾のにぼし、乾燥したごぼう、にんじん、しいたけをパックしたシンプルな商品で、炊飯器に米、水とともに入れ、しょうゆを加えて炊き上げれば完成。
出典:筆者にて撮影(じてんしゃ飯の素は、橘湾のにぼしと、九州産乾燥野菜を使用。食塩不使用、無添加)
炊飯器をあけたとたん、ふわーっと漂う上品な香り! にぼしってこんな香りだっけ、と思いながら食べてみるとまたまた驚き。
調味料は自分で追加した醤油だけなのに、とんでもない旨み! さらに、その旨みも濃くパンチがあるわけではなく、まるで昆布だしのようなやさしく品のよい味わい。にぼしのイメージによくある「圧がない」のです。
出典:筆者にて撮影(炊き上がった、じてんしゃ飯。にぼし概念が変わる風味のよさ)
ホッとする味わいのじてんしゃ飯、早くてカンタンなのに美味しいのは、橘湾のにぼしだからこそ。
余ったじてんしゃ飯はチャーハンやリゾットにしたり、素をそのまま使って和風パスタ、オリーブオイルに付け込んで「オイルサーディン風」に使うのもおすすめだそう。
インドネシアの調味料をにぼしでアレンジした「ニボサンバル」
天洋丸では、ちょっと珍しい「にぼし調味料」も販売しています。「ニボサンバル」は、橘湾のにぼしを使ったインドネシア風調味料。
インドネシア料理に欠かせない、赤唐辛子と香辛料を使ったペーストをアレンジした商品です。
出典:天洋丸(ニボサンバル。インドネシアでは毎日お母さんが作るという辛みペーストを、にぼしでアレンジ)
商品誕生のきっかけは、インドネシアから受け入れている技能実習生の夕食でした。社員寮で自炊している彼らは、夕食のたびにふるさとの味・サンバルを調理していることに気づいた竹下さん。
出典:天洋丸(インドネシアからの技能実習生たち。当初はサンバルを作るために、自分たちで唐辛子を栽培していたそう)
「地元の方との交流になるのでは」と実習生とともに「雲仙市インドネシア料理研究会」を立ち上げました。「料理教室をしたり、地元のイベントでインドネシア料理を提供したりするようになったんです」と竹下さん。
そして、これを機会に何か商品を、と開発されたのがニボサンバル。現地ではエビの発酵食品を加えたりするかわりに「にぼし」を使うことになりました。
地元で栽培された辛みが少なく、旨みが強い唐辛子とタイ産の唐辛子をブレンドしてペーストにしたら、塩、砂糖、にぼしをブレンド。さらに、にぼしを米油で素揚げにしたものをプラスして食感よく仕上げます。
食べてみると、にぼしのコクのある旨みと唐辛子の辛みが絶妙なマッチング。にぼしの効果で、たんなる辛み調味料ではなく、あきらかにマイルドで深みのある味わいです。そこににぼしの食感が加わって「食べるラー油」のような感覚もあります。インドネシアのサンバルとは別モノ。和食に合う味わいです。
出典:筆者にて撮影(しっかり煮干しの存在感がある、ニボサンバル)
「サンバルのイメージの人には辛みが足りなかったり、そもそもサンバルを知らないひとには説明が必要ですが(笑)、食べていただくとハマる方がすごく多いんですよ」と竹下さん。「とにかくいろんなものに使えるのが魅力です」
まずシンプルに「ごはんの供」として。チャーハンや、パスタ、まぜ麺に。味噌汁やスープの味変に。ドレッシングに使っても美味しく、サンバル同様、焼いた魚や肉につけるのもおすすめだそうです。
思い立って、焼き鳥につけてみたら大正解!よく焼き鳥に味噌や、柚子胡椒がついてくることがありますが、ニボサンバルはまさにその二役をひとつで果たしている感じ。焼き鳥に魚特有の旨みが鮮やかに加わってグンと美味しくなるとともに、焼酎や日本酒がさらに進みそうな味わいに。
出典:筆者にて撮影(焼き鳥にニボサンバル。クセになる組み合わせ!)
たまごとの相性もバツグン。「薬膳具だくさんにらたま」に使ってみました。卵液には「じてんしゃ飯の素」をプラス。いわし同様の効能があるニラときくらげを加えたにらたまに、ニボサンバル。こちらも正解! たまごのやさしさにもニラのパンチ、どちらにも合ううえ、調味料でにぼしの健康効果もアップ。お試しを。
出典:筆者にて撮影(「薬膳具だくさんにらたま ニボサンバル添え」。じてんしゃ飯の素で旨みいっぱいの仕上がり)
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