耳鳴りには2つの種類が。薬膳で改善
周りで何か音がしているわけではないのに、ひんぱんに変な音が耳の奥に響く……。ひんぱんに続く耳鳴りは生活の質を下げる原因になってしまいます。食養生で改善をはかりましょう。
中医学では耳鳴りにはふたつのタイプがあるとしています。「腎の衰えによる耳鳴り」と「ストレス耳鳴り」です。
もくじ
老化をつかさどる臓器「腎」の衰えによる耳鳴りは低音タイプ
「腎の衰えによる耳鳴り」は、中医学で老化をつかさどる臓器「腎」の働きが低下したことによる耳鳴りです。
耳は腎との関わりが深く、加齢や疲労によって腎の働きが弱ると耳に不調が現れやすくなります。このタイプの耳鳴りは、「ジー」といセミの鳴き声のような低い音で、夕方以降に悪化しやすく、夜静かになると気になるといった特徴があります。そのほか、腰痛、足腰がだるい、頻尿、物忘れが多い、歯が弱い、足がむくむといった不調もみられがちです。
改善のためには、腎の働きを高める食材を取り入れることがポイントになります。
出典:photoAC(衰えによる耳鳴りには黒きくらげが有効)
おすすめは、黒きくらげ。腎のパワーをアップしてアンチエイジング全般によい食材です。ニラも腎の機能を強める作用が高く、血行を促進する働きもあり、内耳の毛細血管の流れをよくして耳鳴りの改善に役立ちます。そのほかイワシ、エビ、黒豆、海藻類も取り入れるとよいでしょう。
過剰なストレスによって「肝」に負担がかかることで起きる耳鳴りはキーンと高音タイプ
ふたつ目は「ストレス耳鳴り」。過剰なストレスによって、中医学で自律神経をつかさどる臓器「肝」に負担がかかったことによって起きる耳鳴りです。
イライラ、怒り、緊張によって肝の働きが低下すると、気の巡りが乱れてしまいます。本来であれば、上から下へと流れるはずの気が逆流して上昇することで、耳鳴りを引き起こすのです。
このタイプは突発的に起きることが多く、「キーン」という、高くて強い金属音のような耳鳴りがするという特徴があります。
またストレスがかかるとてきめんにひどくなり、高血圧、不眠、目の充血、便秘、口が苦いといった不調も伴います。
出典:photoAC(ストレスによる耳鳴りにはイカなどが有効)
改善のためには、まず、肝の働きをサポートする食材を取り入れることが大切です。おすすめはイカ、アサリ、シジミ。バランスを崩した肝の機能を整える優れた働きがあります。
さらに、気の巡りをスムーズにする食材を取り入れましょう。ハーブ類、セロリ、三つ葉などがおすすめです。
「腎の衰えによる耳鳴り」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(旨みいっぱい黒きくらげとニラの薬膳焼きそば)
★旨みいっぱい黒きくらげとニラの薬膳焼きそば
腎の働きを高める食材をたっぷり具材に使った焼きそばレシピです。エビは桜エビ、イワシはチリメンジャコを使用。手軽なうえに、グンと旨みもアップします。カリカリジャコがアクセントになった、食感も楽しい焼きそばはアンチエイジングにもおすすめです。
【材料】2人分
ニラ 1/2わ
黒きくらげ(乾燥) 5g
桜エビ 大さじ2
ちりめんじゃこ 80g
ねぎ 1/4本
にんにく・しょうが 少々
中華蒸し麺 2袋
A(ソース 大さじ4、しょうゆ・オイスターソース 各小さじ2)
ごま油 大さじ1
サラダ油・塩・こしょう 適量
【作り方】
①ニラはザク切り、黒きくらげは水で戻して細切りに、ねぎ、にんにく、しょうがはみじん切りにする。
②フライパンに。ごま油を入れて熱し、ちりめんじゃこを入れてカリカリになるまで炒めて取り出す。
③再びフライパンにサラダ油を入れて熱し、ねぎ、にんにく、しょうがを炒め、香りが出たら黒きくらげも加えて炒める。
④②に中華麺を入れて水1/2カップを入れて麺をほぐしながら炒め、桜エビも入れて炒め合わせる。Aを加えて、全体を混ぜたらニラを入れてざっと炒め、塩・こしょうで味を調える。器に盛り、②をふりかける。
「ストレス耳鳴り」におすすめの薬膳レシピ
出典:筆者にて撮影(ホタルイカとあさりのワインハーブ蒸し)
★ホタルイカとあさりのワインハーブ蒸し
肝の働きをサポートするイカとアサリ、気の巡りをスムーズにするハーブを使ったレシピ。いまの季節ならではのホタルイカを使った春らしい一品は、蒸し汁もとても美味しいのでバケットにしみこませて食べたり、パスタにアレンジするのもおすすめです。
【材料】2人分
ホタルイカ 100g
アサリ 150g
タイム 2枝
白ワイン 大さじ3
にんにく 少々
オリーブ油 適量
【作り方】
①アサリは砂抜きをしておく。にんにくはみじん切りにする。
②フライパンにオリーブ油を入れて熱し、にんにく、ホタルイカを入れて炒める。
③②アサリを入れて炒め、白ワインをふり、タイムを加えてふたをしてアサリの口が開くまで蒸す。